温泉に行ってきた

学年では年子になる兄弟がかまびすしい。最近は、下の方も負けてはいないからいつも押し合いへし合いのけんかになる。幼稚園が休みの日は子供たちが有り余るエネルギーをもてあまし、家は雑然とし、泣き声が響く。一方で仕事は人数が足らないので、こちらも忙しく、本当は子供につきあってもられないのだが、まだ子供たちだけで留守番をさせるのはちょっとできないからたいへんだ。
今日も昼時に妻が食事の用意をしている最中に、子供たちがけんかをして切れたようで、職場に降りてきて勝手に食べさせているという。これでは妻もたいへんなので、仕事を妻に任せぼくも食事をすることにした。
あがってみると、長男はふてくされ、箸がまだうまく使えない次男はいらいらしている。なんとかこうにか食事を終わらせて、長男に温泉に行ってみるかと誘うと、たちまち顔が輝いて行く行くと喜んだ。温泉は安上がりで時間がつぶせるからこれはしめたもの、帰りに疲れて寝てくれればいいと、雪のまだちらつく中を八雲温泉まで行くことにした。
八雲温泉は市内から10キロほど南に行ったところで、料金は300円だから手軽でいい。雪の中だというのに、結構お客がきていた。湯煙がもうもうと立ちこめ前が見えないくらいだが、子供たちは大喜び。家のそれこそ百倍も広い浴場で好き勝手をしている。露天風呂もあり、最初は寒くていやだと言っていた子供たちも内湯の暑さにのぼせたのか最後には露天風呂ばかりで遊んでいた。冬に初めて露天風呂に入ったが、雪のちらちら舞う中で、温泉につかるのもなかなかいいもんだ。
かれこれ30分くらい入っていただろうか、こちらの方がいささか疲れてきたので、風呂から無理矢理あがらせた。子供たちは実にタフ。帰りの車の中でも寝てくれず、とうとう家についてしまった。ぼくのほうはかえってくたびれてちょっと寝入ってしまったくらいだ。
妻は少しは落ち着けただろうか、家に帰るとまた子供たちは小競り合いを繰り返している。わが家の喧噪は夜まで続くのだった。