日御碕灯台へ行ってみた

日曜日は人が足りないので、基本的に仕事が忙しい。ところが日曜日は子供が休みで、家にいる。こういうときはたいへんだ。子供はあちこち連れて行けと騒ぐ、親はそれに応える余裕がない。これは職住一致の商家では仕方ないこと、ぼくも小さい頃には親をさぞかし困らせただろう。今日はあんまりなものだから、時間を作ってドライブした。前もって旅行の計画を立てたりできないので、かわいそうではある。
長男は飛行場へ行くと言って譲らない。まず出雲空港に行き、飛行機を見に行く。飛行場の反対側に土手が広がっているが、ここにものすごい望遠レンズを構えた一団が陣取っていた。何を撮っているのかみてみたかったが、東京便の出発時刻が迫っているのでこちらは空港へ向かった。
ちょうど東京便が出発する時間で、久しぶりにみるMD-90が出発準備をしていた。高台に陣取ってみていると、先ほどの土手の向こうから真っ白な鳥が群れをなして飛んできた。白鳥だ。十数羽の白鳥が隊列を作って、とても優雅に飛んでいる。先ほどの写真家集団はこれを撮っていたらしい。ぼくも望遠レンズを持ってくればよかった。
飛行機を見送って今度は出雲大社の方へ向かってみる。長男はまだ飛行機が見たかったようだが、まだ雪の残る空港で何時間も待つのはつらいので、なだめすかして自動車を走らせた。正月も半ばというのに出雲大社はずいぶんな混雑で、車の渋滞も出ていたので、脇道を迂回して日御碕灯台に行ってみることにした。
日御碕に足を伸ばしたのは何年ぶりだろう。もう10年くらいきてないかもしれない。日曜日ということもあって、沿道のおみやげ屋さんが客引きをしていたが、どこか寂しい感じがする。訪れる人もややあったが、それでも寂しい限りだ。あるお店では、馴れたウミネコを出汁に使って涙ぐましい客引きをしていた。このうらぶれた寂しさはなんだろう。

一方、灯台を初めて見る子供たちは大喜びで、怖い怖いと言いながら灯台の上まで登っていったり、たくさん落ちている松ぼっくりを拾いまくっていた。
こうして何とかこうにか親としてのつとめを果たして一日が終わった。お手軽な旅行ばかりで申し訳ないが、まだそれでも子供たちが喜んでくれているからいいか。