血液検査


ここのところずっと天気が悪い。雪ならまだしも雨ばかり降るものだから余計気が滅入る。子供の頃、お正月に映し出される明治神宮での初詣や、箱根駅伝の中継を見ながら、この地に生活していることを恨めしく思ったものだった。
灰色の空からわずかに光が差し込めばそれだけで何となくほっとするが、たちまちその光は新しくやってきた雲の波に飲まれていくのだ。
ぼくは毎月定期的に病院に通う身で、今日は検査の日なので、昼の間に町中まで出かけた。今日は血液を採るだけで、診察は明日だ。少しでも待ち時間を短くしたいために前の日に検査を受けている。
新年だからといって病院の雰囲気は特に変わることもない。いつもと同じ混雑を抜けて、検査室に行き、血液を採取し帰るだけだ。
この検査の日は昼ご飯を抜いてくるので、検査の後に外食をするのが楽しみではある。とはいえいつもあれこれ悩んでいるうちに時間が過ぎて食べそびれることもあるが。